サポート終了アイテムのガイドライン


1)ガイドライン明示のきっかけ


ヒガサカメラサービスでは現在、メーカーサポートが終了した機種も一部お取り扱いをしております。その理由は後ほど述べさせていただきますが、お問い合わせの中で


「何故現役の機材と同様のサポートをする事が出来ないのか」


というご質問をいただいたことがガイドライン明示のきっかけです。
勿論理由はそれだけではないのですが、このご質問にお応えする事がほぼサポート終了アイテムのガイドラインに相当すると判断できたため本ページにてご案内させていただきます。


2)メーカーサポート終了とは


「メーカーサポート終了」という事象の定義について、弊社は次のように考えております。


・生産終了に伴い、その製品に対する全ての構成部品を準備する事が出来なくなった状態


カメラ関連の機材に関わらず、全ての工業製品は複数部品の組み合わせによって構成されています。その構成部品の一部もしくは全部が本来の性能を発揮できなくなった状態を「故障」と定義します。

故障の原因は様々ですが、使用する中で駆動部が摩耗してしまったり、コンピューター基板が壊れてしまう事は現実問題として避けられません。なので基本的には悪くなってしまった部品を確認して交換する対処療法か、シャッター関連部品のように一定の駆動回数を超えた段階で関連部品を交換する予防措置が「修理」になります。

つまり、完全な「修理」を行うためには製品を構成する全ての部品が準備出来ている事が前提になるのですが、生産が終了すると物理的に完全な修理を行う事は不可能になります。そして発生する全ての事象にお応えできない以上、対象となる製品のサポートを「出来ない」と表明する事はメーカーとして正しい判断であると言えます。

3)ヒガサカメラがメーカーサポート終了アイテムを取り扱う理由


単純に「愛着のある機材をもう一度使いたい」というご要望にお応えするためです。そのために出来る知識・技術の提供は惜しみません。


4)出来る事と出来ない事


とはいえ、「物理的に、常に完全な修理を行う事が不可能」という前提条件を覆すことは出来ません。当然、出来る事と出来ない事があります。ものすごく単純化すると

◆出来る事
 弊社が保有する部品在庫の交換調整により再び使用できる状態にさせていただく

◆出来ない事
 修理に必要な交換部品在庫がない機材に対する修理全般

という事になります。ポイントは「交換する部品があるか、ないか」の1点です。これは非常に重要で、現役機種が半年間の保証をさせていただけるのは「万が一の場合でも交換できる部品がある」からであり、部品が無い機材については同様の処置が出来ません。


5)交換部品在庫がない機材を扱うときに発生するリスク


交換部品在庫が無い機材をお取り扱いさせていただく時のリスクについて。

カメラもレンズも非常に精密な構造を持つ機材です。そして誕生以降時代を重ねるにつれて様々な電子機構を備え、撮影者の直感に応える事が出来るよう進化してきました。電子基板とフレキシブルコード(ケーブル)は現在でも使用されている重要な部品です。

これらの部品は通電する事で正常な作動をするよう設計されているのですが、長い年月を経た機材の一部には分解に伴うコードの抜き差しをした「だけ」でそのまま動かなくなってしまう、というリスクが潜んでいます。原因は劣化と言うよりも風化。衝撃とも呼べない僅かな物理的接触が致命傷になってしまうリスクは常に存在します。そして、それがどの機材のどの段階で起こりうるのかは正直誰にも分かりません。

また、内部で既に部品が破損していたというケースも存在します。これはある部品が物理的に破損しているものの、なぜか機能は損なわれず奇跡的に動いていたというケースで、分解により力尽きてしまうというロシアンルーレット的な症状です。1年に1件もありませんが、ゼロではないところがたまりません。

最後に、機材を分解する時は金属製の工具を使用するため機材の表面にあるネジの塗装が剥げてしまったり、小傷が付いたりする場合があります。これは金属同士が触れ合う以上避けられない現象でもあります。従って、「これは稀有なデッドストックでビンテージで価値が高いお品だから傷ひとつ付けられても価値が下がる。けどきちんと動くようにしてほしい」というご要望にはお応えする事が出来ません。「機材が本来の性能を取り戻すためのお力添え」は可能ですが、美術品としての価値を高めたり保ったりするための技術は持ち合わせていません。

6)ガイドライン


以上の内容により、メーカーサポートが終了した機材についてのガイドラインを次のように定めさせていただきます。

1.修理対象となる機材
:メーカーによる部品供給が終了しているが、弊社ホームページ上で記載されている機材全般

2.修理可否の判断基準
:修理に必要な部品在庫の有無によって決定します

3.修理に伴う小傷等について
:修理作業は分解を伴う為、小傷等が付いてしまう場合がございます。作業には細心の注意を払いますが、無傷の作業をご要望される等神経質な方のご要望にお応えする事は非常に困難です。作業後に「預ける前の状態に戻してほしい」というご要望をいただいてもお応えする事は出来ません。

4.外観部品の復旧可否について
:外観部品の傷や凹み、メッキ剥がれなどは弊社で修復する事が出来ません。これには上記3.による修理に伴う外観部品の小傷等も含まれます。

5.ミラーやファインダーの清掃について
:清掃で可能な範疇を上限として作業をさせていただきます。こびりついた汚れや清掃具が届かない場所の汚れ、メッキや材質の劣化によるくすみなどは対応不能です。

6.機械部分の作動保障について
:修理時に部品交換を行わなかった機械部分については半年間の作動保障対象外とさせていただきます。また、部品交換を行い機能が回復した場合でも最終在庫部品を使用した場合などは代替部品が無い事から保証対象外とさせていただく場合がございます。

7.分解による故障発生のリスクについて
:それまで作動していた機材が分解を行った「だけ」で作動しなくなるといったリスクがゼロではありません。出来る限り慎重に作業を行いますが、こういったケースが起こりうる事と、その場合「修理不能」と判断させていただく場合がございます事を予めご了承下さい。

8.レンズ表面のコーティング変質について
:レンズ表面のコーティング変質によるくもりや、コーティングがカビの形に浸食された跡は清掃で除去することが出来ないためその状態でのお返しになります。

9.レンズ表面の拭き傷について
:レンズ清掃を行う際、極小の塊によりレンズ表面に拭き傷が発生してしまう可能性がございます。極力そのような事が起こらぬよう注意を払って作業に当たりますが、撮影に影響の無い範囲で拭き傷が発生する可能性がございますことを予めご了承ください。

10.操作感について
:サポート終了アイテムに限らない事ではありますが、駆動関連部品を交換するとそれまでとは操作の感触が変わってしまう事があります。



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